■ 女性（40代後半）
■ 家族構成…夫と二人暮らし
■ 会員歴6年
【食事記録】
ごはんと味噌汁に、メイン（肉や魚のおかず）プラス副菜（野菜のおかず）数品といった献立が定番。写真にはありませんが、スムージーを飲むのが毎朝の習慣です。肩こりがつらく、首から肩甲骨まわりがガチガチ。血流をよくしたいと、生姜やねぎを取り入れるようにしていますが、肩こりを改善してくれる食材があれば教えてください。

和食中心で全体的に栄養バランスがよく、摂取カロリーにも大幅な過多はありませんでした。ただし、最も疾病が少ないとされるBMI（※）値を目指すには、もう少しボリュームアップすることをおすすめします。お昼にスープをつけたり、朝食に温泉卵や果物を添えると◎。加えて、主食を白米から発芽玄米に代えることもおすすめです。なぜなら、毎月月経がある女性の場合、エネルギー不足＝栄養不足になりがち。貧血・冷え性・便秘などを予防するために、栄養強化が大切です。
一方、野菜を意識的に摂っている点は素晴らしいですね。さらにワンランク上を目指すなら、「抗酸化力」を味方につけましょう。LDLコレステロール（悪玉コレステロール）は、酸化されることで悪性度が増し、動脈硬化が進みます。血管の老化を防ぐためにも、抗酸化力の高いトマトやかぼちゃ、人参などの色の濃い野菜を追加してみてください。

※BMI指数＝体重（kg）÷【身長（ｍ）×身長（ｍ）】
※＜18.5未満：痩せ　18.5以上25未満：標準　25以上：肥満＞

さて、あんずの里さんがお悩みの肩こりですが、国民生活基礎調査においても、男女ともに悩みの1位・2位を独占しています。それに伴い、ドラッグストアでも多くの医薬品が売られています。実は、肩こり?腰痛対策の医薬品や入浴剤の成分によく用いられているミネラルがあります。それは、別名「ミネラルの王様」ともよばれるマグネシウムで、温泉の成分でもあります。 マグネシウムには筋肉の弛緩作用があり、長時間の一定姿勢やストレスなどでこわばった筋肉をほぐして血行改善を助けます（温泉効果と同じ）。経皮吸収も可能なため、肩こり・腰痛・月経痛・偏頭痛などがある人や、身体を酷使するアスリートには、お風呂ににがりを入れて浸かる「マグネシウム温浴」をおすすめしています。食品では、焼き海苔やわかめなどの海草類、魚介類、雑穀などに含まれますので、不足しないように食べましょう（表「年齢別1日のマグネシウム摂取量・推奨量比較」）。また、最近、酢のものは召し上がっていますか？ 酢に含まれるクエン酸は疲労回復効果と血流改善効果がありますので、「ワカメの酢のもの」などを献立の定番にすることをおすすめします。

肩こりが重症化している場合、単に筋肉が固まって血行障害が起きているのではなく、固くなった筋肉に末梢神経が圧迫され、神経細胞がダメージを受けて傷ついてしまっていることが考えられます。この痛みを効果的に回復させるビタミンがビタミンB12です。こちらも肩こり?腰痛?眼精疲労の医薬品におなじみの成分であり、高価な真っ赤な目薬は「造血のビタミン」とよばれるビタミンB12の色です。 ビタミンB12は動物性たんぱく質に多く含まれるため、マグネシウム摂取のためにも魚や肉を、同じく血行をよくする作用のあるサポニンとビタミンEを含む大豆と卵を「一食あたり片手一盛り」食べましょう（たんぱく質は１日に体重1kgあたり約１g必要です）。シジミやアサリなどの貝類も強い味方です。肩こりや腰痛・眼精疲労が気になるときは、週に数回シジミやアサリの味噌汁を食卓に登場させるとよいでしょう。